その他の美術 書
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平安時代 後期 ・12世紀
- 4帖
- 銘文:各帖に嘉承元年書写の奥書がある 毎帖表紙表に證慶記、表紙裏に伝得成賢とある
平安時代の天台僧で、加賀(石川県)の温泉寺に隠棲し加州隠者と称した温泉房明覚(一〇五六~?)が、承徳二年(一〇九八)に記した悉曇学(梵字研究)の著作。巻第四の書写奥書に「嘉承元年(一一〇六)八月十五日に法勝寺の僧房で大仙房の本を書写する」とあり、明覚撰述の八年後に書写された現存最古の『梵字形音義』完本。早期の五十音図もみられ、日本語研究においても重要な作品といえる。