横須賀市浦賀湾に突出した丘陵地に位置する叶神社には、海岸性常緑広葉樹林が自然度の高い状態で残されている。海岸から標高約50mの頂上まで、高さ約15mのタブ林(イノデ―タブ群集)が成立し、一部土壌の浅い所にはスダジイ林もみられる。タブノキが林冠を形成し、その下層にはヤブツバキ、モチノキ、シロダモ、トベラ、ヤブニッケイ、アオキ、イヌビワ、ムラサキシキブなどが生育する。
さらに林床には、イノデ、ベニシダ、オオバノイノモトソウ、ミゾシダなどのシダ類の他に、キチジョウソウ、ヤブラン、キヅタ、ツワブキなどもみられる。社叢林として保護され、人の立ち入りはきわめて限られていたため、現在も安定した群落として発達している。