横須賀市衣笠山公園の南東部にある大松寺には、タブ林(イノデ―タブ群集)が見られる。このタブ林は本堂裏手の斜面に防風林として植栽されたものを含めて、高木層から草本層にいたるまで、安定した森林植物群落を形成している。構成種は、高木層にタブノキ、アカガシ、ウラジロガシ、モチノキ、マテバシイ、アラカシ、カクレミノが、亜高木層にシロダモ、ネズミモチ、ヤブニッケイ、また低木層にはヒサカキ、アオキ、トベラなどの常緑広葉樹が生育している。草本層にはベニシダ、テイカカズラ、ヤブランなどがみられる。樹齢100~200年生のタブノキやアカガシをはじめとして多くの大木が生育しており、三浦半島の郷土の森として残り少ない貴重な歴史を経た沿海性の常緑広葉樹林である。