三増の獅子舞 みませのししまい

民俗 無形民俗文化財

  • 神奈川県愛甲郡愛川町
  • 指定年月日:S51.10.19
  • 三増獅子舞保存会
  • 神奈川県指定重要文化財

 三増の獅子舞は、愛川町三増諏訪神社境内社の八坂神社祭礼に奉納される。この「天王祭」で舞われる獅子舞は三人(三頭)がそれぞれちがった形状の獅子頭をつけ、各人がそれぞれ前腹部につけた太鼓をたたきながら舞う、「一人立ち三頭獅子」である。この三頭は、両親と子であるともいわれている。

 歌詞は、本来23節からなっていたが、現在では演舞時間短縮のため14節とされている。この種の獅子舞は関東甲信越から東に分布し、三増のものは、そのほぼ南限で、主な分布地以外では、例外的に静岡、福井等にあるだけといわれる。

 三増は甲州への街道の宿場であり、また戦国大名武田・北条氏の古戦場としても有名で、上宿、下宿、裏宿、馬込等の地区から成っている。祭日、舞手たちは、上宿、下宿にあって、昔から当屋をつとめる家を出発する。この当屋は、毎年交代で、出発と帰着の場となる。神社までは、道行の渡り拍子で行道する。神社には、忌竹をたて、しめ縄をめぐらした祭場が設けられており、そこで舞を奉納して、当屋へ帰る。

 発祥は、当獅子舞の加役である「バンバ面」の裏にある刻名から推察して、18世紀初期ではないかとみられている。

三増の獅子舞

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