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飛ぶ蝶

とぶちょう

概要

飛ぶ蝶

とぶちょう

油彩画 / 昭和以降

三岸好太郎  (1903-1934)

みぎし こうたろう

昭和9年/1934

油彩・合板 額

縦121.2×横84.9cm

第4回独立美術協会展 東京府美術館 1934

飛ぶ蝶
Flying butterfly
1934
北海道立三岸好太郎美術館蔵[O-63]

「窓カラヒラヒラト飛ンデキタ蝶ハ/呼吸シナイ白イ壁ニ足ヲトメタ/蝶ノ冬眠ガ始マル/而シ押エラレタピンヲハネノケテ再ビ飛ビ出ス事ハ自由ダ」
三岸好太郎の自作の詩「蝶ト貝殻(視覚詩)」の一節である。この詩のなかに描写されたイメージが、そのまま油彩画の「飛ぶ蝶」にも見出される。三岸自身のアイデアで、額縁には金属パイプが使われており、まるで標本箱を連想させもする。描かれた6匹(頭)の蝶。その中の一匹が、留められていたはずのピンをはねのけて舞い上がろうとしている。不思議な白昼夢のような光景。そこには、当時最新の芸術思潮であったシュルレアリスム(超現実主義)の影響もうかがえるが、作品から香り立つみずみずしい詩情は、まぎれもなく天性のロマンチスト三岸独自のものであり、10年あまりの短い画業のうちにめまぐるしく作風を変貌させた三岸が、最後に到達した夢幻の世界であった。

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キーワード

貝殻 / 三岸 / / 好太郎

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