海と射光 うみとしゃこう

版画 / 昭和以降 

三岸好太郎 (1903-1934)
みぎし こうたろう
昭和9年/1934
印刷(凸版墨刷)・手彩色(水彩・グワッシュ)・紙
縦30.2×横22.4cm
「筆彩素描集『蝶と貝殻』」より

海と射光
Sea and sunshine
1934年
北海道立三岸好太郎美術館蔵[P-7]

三岸好太郎は1934年、蝶と貝殻をモティーフとした素描10点をもとに、その描線を凸版墨刷として、各葉に手彩色を加えた画集『筆彩素描集 蝶と貝殻』を100部刊行した。刊行に際しては各冊に限定番号が付されていたが、本作はその素描集のなかの一葉で、番号については確認できない。
このイメージは、第4回独立展に出品された同名の油彩画(100号/福岡市美術館蔵)とほぼ同じ構図であるが、より多くの貝殻が描き込まれている。また、油彩画では空と砂浜にはさまれて海面がわずかに望めるが、ここでは海を示す線は描かれていない。
さまざまな種類の貝殻が多数散らばる海浜に横たわる裸婦。陽射しに照らされて砂上にくっきりと影をおとし、顔と足下は布で覆われている。幻想とも白昼夢ともいえる光景である。
三岸は知人に当てた手紙の中でこの年の制作に触れ「貝殻は小笠原に旅行した場合の写生を主として少女の裸体を配し死せる貝殻にユーモラスな人カクを与へたもの」と記している。
けれども三岸が実際に小笠原へ旅行した事実は確認できない。思い浮かべた離島の景色。そこから既に画家の幻想がはじまっているといえるかもしれない。
同年発表の三岸の詩「蝶ト貝殻(視覚詩)」には、「海洋の微風/射光ハ桃色ダッタ/バタ色の肉体/赤イ乳首ハザクロノ実ノ如クニハレテイル/角貝、平貝、のんびり貝/虚無ヨリ生活ヲ始メタ/生活トハ/イタリヤネルノ白キ触覚ト同様ニ/嫉妬デアル」という一節がある。

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