旅愁 りょしゅう

版画 / 昭和以降 

三岸好太郎 (1903-1934)
みぎし こうたろう
昭和9年/1934
印刷(凸版墨刷)・手彩色(水彩・グワッシュ)・紙
縦30.2×横22.8cm

旅愁
(筆彩素描集『蝶と貝殻』より)
Loneliness on a journey:
from the portfolio "Le Papillon et la Coquille"
1934年
北海道立三岸好太郎美術館蔵[P-10(2)]

三岸好太郎が1934年、蝶と貝殻をモチーフに100部限定で刊行した「筆彩素描集『蝶と貝殻』」(第65番)のなかの第2図。第4回独立展出品の同名の油彩画(60号変形/法人蔵)とほぼ同様の構図である。同年に三岸が発表した詩「蝶ト貝殻(視覚詩)」のなかに登場する「バンドホテル」(1929年横浜に開業、戦前は客室から海が眺められた。1999年に取り壊されて現存しない)に三岸が節子夫人と滞在した際に着想を得た。
詩の一節には「ホテルの鎧戸ハ白ク/外界ハ薄暮デアル/トギスマサレタテーブル/(中略)/トランクヨリ取リ出サレタ貝殻ハ重大ナ物語リヲ始メタ」とあり、三岸は持ち歩いていた貝殻をホテルの部屋の窓際に置き眺めていたという。油彩画では省略されているが、白い鎧戸や帆を広げたヨット(詩の別の箇所には「大キナヨットハ食料品ヲ乗セテ40ノ如クニ走ル」と記されている)がこの図には描かれている。

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