彫刻 / 唐
白檀【びゃくだん】かとおもわれる堅い材でつくった八角筒形の仏龕【ぶつがん】で、これを中央と左右の三つの部分に分け、ここに仏、菩薩、侍者など二十五体の像を刻んでいる。わずか二十三センチの小さな龕ではあるが、それぞれ異なる諸尊の表情、にぎやかな装身具、こまかい衣文【えもん】など、その精緻な技法は中国唐代に多く作られたこの種の龕像のなかでも屈指のものである。弘法大師の請来【しようらい】と伝えて大切に取り扱われたことが、附【つけたり】の銅製厨子【ずし】によっても知られる。
木造諸尊仏龕
木造阿弥陀如来及両脇侍像龕