樺山遺跡
かばやまいせき
概要
樺山遺跡は、北上[きたかみ]市街地の南方約7キロメートル、北上川の左岸に張り出した北上山地の麓に所在する縄文時代中期の遺跡である。昭和25年に発見され、翌26年から51年まで数次にわたって発掘調査が実施されている。
遺跡は標高約80メートルと約100メートルの上下2段にわたっており、下段に配石遺構群があり、上段は竪穴住居を持つ集落が営まれている。下段の配石遺構は径約1.2メートルの範囲に石を敷きつめ、一端に立石を設ける類を典型とし、合計32以上の存在が確認されているが、ほかに耕作によって破壊されたものがある。配石の中にしばしば石皿が入っており、立石に用いている例もある。また、配石の直下には土壙が設けられており、配石遺構が墓ではないかという推定がなされている。周辺から発見される土器によって中期に属するものと判断され、特別史跡大湯環状列石等の系統につながって行くものと考えられる。上段の集落跡は配石遺構と同時代に営まれており、台地の周縁に住居跡が集中している。また、中期末から後期初頭にかけても再び集落が営まれ、竪穴住居跡と甕棺が発見されている。
縄文時代中期の集落跡と同時代の墓域と考えられる配石遺構群を含めて全体を指定し、保存を図るものである。