根尾谷の菊花石
ねおだにのきっかせき
概要
秩父古生層ノ緑色シヤールシュタイン中ニ「アラゴナイト後ノ方解石」が放射状結晶集合體ヲナシテ出デ恰モ菊花ノ如キ斷面ヲ示セルモノナリ集合體ノ大サハ直徑一センチメートル内外ヨリ二五センチメートルニ及ビ多クハ中心ニ核ヲ有ス 斯ル奇形ノ結晶集合體ヲ有スルシヤールシュタインハ南支那ニ出ヅルモノノ外從來世ニ知ラルルモノナク世界的ニ極メテ稀有ノモノナリ
秩父古生層の緑色シャールシュタイン中に「アラゴナイト後の方解石」が放射状結晶集合体をなし あたかも菊花の如き断面を示すものである。このような奇形の結晶集合体を有するシャールシュタインは南支那に出るものの外 他にはその類例なく、世界的に極めて稀有であって学術上特に価値の高いものである。