旧弘前偕行社
ひろさきかいこうしゃ
概要
旧弘前偕行社は,日清戦争後に増設された六個師団のひとつである第八師団の開庁に伴い,弘前城下の東南にあった師団司令部の東に建設された。
建物は,南北に長い敷地のほぼ中央に北面して建つ。明治40年11月の竣工で,建設後は師団将校の交流施設や物販・厚生施設に供されたが,第二次大戦後は弘前女子厚生学院が用い,近年は同学院の記念館などに活用されている。
木造平屋建で,東西に長い主体部は桁行48.8mの規模をもち,左右両端を前後に突出させる。正面は中央部が張出し,玄関ポーチを設ける。
大規模な洋風建築で,ルネサンス様式を基調とし,華やかな細部意匠は高く評価される。東北地方に現存する陸軍関係施設の代表的遺構であるだけでなく,陸軍省営繕組織による建築意匠の展開を示すものとしても貴重である。