仏宇多(仏ヶ浦)
ほとけうた(ほとけがうら)
概要
津軽海峡に臨む下北半島の西北部,佐井村牛滝から福浦に至る海岸には,海蝕作用によって形成された,高さ100mにおよぶ仏像または蓮花の形をした凝灰岩の奇岩が延長2〜3kmにわたって立ち並び,如来の首,十三仏,五百羅漢,蓮華岩,天竜岩など,仏にちなんだ多くの名前が付けられている。下北半島の霊山である恐山には行った修験者は,縫道や石山などの狭岩を踏み分けてこの海岸に到着し,ここを最後の修験場とした。
下北半島ノ西海岸ニ在リ淡青色ヲ帶ビタル白色ノ玻璃質流紋岩ノ層灰岩ガ海波ノ侵蝕ヲ受ケテ生ジタル波蝕崖ニ風蝕ト雨蝕トガ加ハリテ生ジタル奇景ナリ 層灰岩ノ性質ガ粗鬆脆弱ニシテ風雨ノ侵蝕ニ耐エ難キニ拘ラズ塊状ニシテ節理ニ乏シキコトガ奇景ヲ生ジタル主原因ニシテ風雨蝕ヲ受ケタル岩層ノ側面ガ峭壁斷崖ヲナスト同時ニ其ノ頂部ガ往々尖リテピラミツド状ヲナシ或ハ柱状、卓状、塔状等ノ奇觀ヲ呈シ且其ノ表面ニハ縱ニ走レル幾多ノ細溝ヲ生ジテ徳島縣林町ノ土柱ニ肖タル異樣ノ蝕痕ヲ有スルヲ特徴トス一ツ佛、蓬莱岩(一名十三佛)、如來岩(一名五ツ佛)、蓮華岩、地藏ノ首岩、蝋燭岩、親子岩等ハ最モ能ク其ノ特色ヲ發揮セルモノナリ