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火の山にて飛ぶ鳥(軽井沢山荘にて)

ひのやまにてとぶとり(かるいざわさんそうにて)

概要

火の山にて飛ぶ鳥(軽井沢山荘にて)

ひのやまにてとぶとり(かるいざわさんそうにて)

三岸節子  (1905-1999)

みぎしせつこ

昭和35年/1960年

油彩・キャンバス

72.7×60.6cm

画面左下に署名:節子 S.MigiSHi /裏面に画題・署名・場所:火の山にて飛ぶ鳥 三岸節子 軽井沢山荘にて /出品:三岸節子近作油絵個展(1960)

一宮市三岸節子記念美術館

ヨーロッパから帰国した作者は、1957(昭和32)年頃から浅間山麓の軽井沢の山荘で一人暮らしを始め、孤独な生活の中で火の鳥の連作に取り組んでいる。「軽井沢の沈黙の生活は苦しい試練の日々でもあった。みずからの愚かしさ、人生の空しさ、後悔、慙愧(ざんき)に胸を噛む思いである。」(「女流画家の血みどろの路」『花より花らしく』)と語るように、自らとの戦いの中で描かれた作品は、これまで以上に作者の感情が表れ、心象風景としての性格が濃い。激しく燃える山を飛ぶ異形の鳥は、活火山である浅間山の象徴であるとともに、苦しみにもがく作者の姿が投影されている。絵具を厚く塗りこめ、砂などを混ぜることでざらついた画面を作り上げている。連作の中では小品ながら、深みのある朱色が印象的な力のある作品である。

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キーワード

節子 / 三岸 / 署名 / せつこ

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