風景の中の山羊と羊
ふうけいのなかのやぎとひつじ
概要
風景の中の山羊と羊
ふうけいのなかのやぎとひつじ
本作品はジェリコーには珍しく小動物を描いたもので、美術史家エイトナーによれば、17世紀フランドルの画家ピーテル・ボル(1622―1674)の作品の一部をジェリコーが模写したもの。この作品が描かれた時期は、ジェリコーがナポレオンの遠征場面を描き出した《突撃する近衛猟騎兵士官》を描き、サロンで金賞を受賞し画壇に劇的にデビューした1812年から、イタリアに自費留学を果たした1816年の間の頃で、山羊の毛並みを描いたタッチや遠景の描写などが印象的である。ジェリコーの絵画の中で、小動物を描いた作品はほとんど見当たらないが、同じ頃に描かれたと思われる《雄鶏、雌鶏、モルモット》もあり、ごく一時期、関心を抱くことがあったのかも知れない。
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