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岩橋千塚古墳群

いわせせんづかこふんぐん

概要

岩橋千塚古墳群

いわせせんづかこふんぐん

古墳 / 近畿 / 和歌山県

和歌山県

和歌山市岩橋

指定年月日:19310731
管理団体名:和歌山県(平15・3・26)

史跡名勝天然記念物

字前山ノ山頂山腹十数町ノ間ニ築カレタル古墳郡ニシテ概数五百以上ヲ其ノ大小ノ円型墳隨處ニ群ヲナシ大ナルモノハ封土ノ直徑約十五間高サ約四間半ニ及ビ小ナルモノハ直徑約二間高サ数尺ニ過キズ現ニ発掘セラレタルモノノ内東部ニ分布セル二十七基ハ曽テ和歌山縣ニ於テ實測調査ヲナシソノ報告書ヲ公ニセリ実地調査ノ結果ニヨレバ石槨ハ縱穴式横口式ノ二種ニ分ツベク縱穴式ニ属スルモノハ組合セ石棺ノミノモノト其周囲ニ板石ヲ繞ラセルモノトアリ横口式ノモノハ概ネ時代ノ稍降レルモノト認メラレ構造頗ル発達シ小ナル石槨ニハ玄室ト羨道ノ外特種ノ構造ヲ見サルモ雄大ナルモノハ玄室前室小室及羨道部ヨリ成リ玄室ノ両側壁間ニ二個以上ノ石梁ヲ架シ奥壁ニ沿ヒテ石棚ヲ設ケ底部ハ棺形ノ石囲ヲ有スルモノト槨障ヲ有スルモノトアリ又玄室及ビ前室ノ前壁ニ薄キ緑泥片岩ヲ貼リテ裝飾セルモノ少カラズ往々石扉ヲ存ス副葬品トシテ玉類石製品、鏡、金環銅鏃甲胄馬具直■祝部土器等ヲ発見セリ
石槨ノ構造手法、多種多様ニシテ各種ノ副葬品ヲ出土セル本古墳群ノ如キハ類例稀ナルモートス
字前山の山頂や山腹に営まれた古墳群で、概数五百以上を算する。大小の円墳が隨所に群をなし、大なるものは封土の直径約三十米、高さ約八米に及び、小なるものは直径約四米、高さ約二米をなしている。是等の古墳の内部構造は、竪穴式石室、及び横穴式石室の二種より成っている。竪穴式に属するものは、組合せ石棺のみのものと、その周囲に板石をめぐらしたものとあり、横穴式石室のものには、羨道と玄室とよりなる通例の構造のほかに、特殊なものとして、後室・前室及び羨道部より成り、後室の西側壁間に石梁を架し、奥壁に沿うて石棚を設けるものなどがあり、往々石扉も存する。副葬品として玉類・鏡・金環・銅鏃・甲冑・馬具・直刀・須惠器等が出土している。石室の構造が多種多様であり、わが国の古墳群中においても類例少く、学術上の価値が特に深い。
S48-05-140[[岩橋]いわせ]千塚古墳群.txt: 紀の川南岸にある岩橋山塊の北斜面を中心に分布する総数500基以上からなる古墳群である。この古墳群については、昭和6年史跡指定、昭和27年特別史跡に指定されていたが、指定地外にも重要な古墳があり、現状で可能な限り古墳群を含む範囲を昭和48年3月、追加指定した。

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