白骨温泉の噴湯丘と球状石灰石
しらほねおんせんのふんとうきゅうときゅうじょうせっかいせき
概要
天然紀念物調査報告(鑛物之部)第一輯 一六八頁 参照
岩酸石灰ヲ含有スル温泉湧出シテ其ノ噴出口ノ周囲ニ沈殿物堆積シ噴泉塔及ビ噴湯丘ヲ生ス本邦ニ於テハ既知ノモノ甚サントス
球状石灰石ハ温泉中ノ沈殿物ニシテ本村ニ在ルモノハ脛一ミリ乃至一センチ時ニ四センチニ達シ純白ニシテ不透明ナル放射繊維状ノ共心構造ヲ呈シ或ハ不規則ノ形ヲ成シ或イハ多面体ヲ成ス本邦ニ於テハ其ノ類多カラズ
炭酸石灰を含有する温泉の噴出口の周囲に沈澱物が堆積して噴出塔及び噴湯丘を生じたものでわが国においては類例少い。
球状石灰石は温泉中の沈殿物で本村に在るものは径1ミリ乃至1センチ時には4センチに達し純白、不透明なる放射繊維状の共心構造を呈し或は不規則の形を成し或は多面体を成す。本邦においては他に類例多からず学術上特に価値が高い。