広村堤防
ひろむらていぼう
概要
有田郡廣村ニ在リ 西北ノ方湯浅湾ニ面シ前後二段ニ築カレタリ 前方ノ石堤ハ中世畠山氏ノ築キシ後、徳川氏ニヨリ修補セラレタルモノニシテ高(海面上)一間半、幅(頂上)一間、根幅三間餘延長約二百八十間アリ
後方ノ堤防ハ安政年間廣村ノ人濱口梧陵ノ築キタルモノニシテ高(海面上)二間半、幅(頂上)一間半、根幅約九間、延長約三百六十間防浪堤トシテ稀有ノモノナリ
兩堤間ニハ當時植樹セラレタル黒松櫨樹繁茂シテ欝蒼タリ堤防ノ北東端ニ夷神社アリ 石堤ノ略中央湾ニ面シテ感恩碑アリ又西南端ニ近ク徳本上人建ツル所ノ溺死者供養碑アリ
明治年間、本堤防ノ中央及西南部ヲ切通シ人車道ヲ設ケタルモ中央ニハ非常時ニ際シ使用スベキ鉄扉ヲ設置セリ