旧平澤家住宅(松籟閣)
きゅうひらさわけじゅうたく(しょうらいかく)
概要
住宅は,正面中央に入母屋造の正玄関をはじめとする様々な形式の屋根を重層させた主体部を構え,向かって左側に和風意匠の御母堂室部,右側に洋風の応接室部を並び建て,重厚かつ変化に富んだ外観をもつ。内部では座敷などの室内造作に多彩な銘木をふんだんに使い,各所を繊細な意匠の組子や彫刻欄間,蒔絵などで飾るとともに,洋風寝室をアール・デコで瀟洒にまとめるなど,近代住宅の潮流を巧みに取り入れつつ優れた造形美を表出している。近代新潟の主要産業である酒造業の創業家による昭和初期の優れた住宅建築として高い価値を有している。