芍薬牡丹金銀珊瑚歩揺簪
しゃくやくぼたんきんぎんさんごびらかんざし
概要
木製黒漆塗軸の両側に、真鍮製金銀色絵と珊瑚で、片側に芍薬、片側に牡丹の花を付けた歩揺簪である。両側に飾りを付けた簪は両差簪あるいは両天などとよばれ、『守貞漫稿』によれば、「京坂両差簪は文化文政頃までこれを用ふ。又、江戸は京都より僅に前に廃す」とあるが、明治中期にもまた流行している。276と277で揃いとして伝わる。花柳章太郎(1894~1965)の旧蔵品で平成15年(2003)に遺族の青山久仁子氏より国立劇場へ寄贈された。