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北海道・厚岸郡厚岸町

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)国泰寺跡厚岸郡厚岸町

国泰寺跡

 国泰寺は善光寺・等〓(*1)院とともに蝦夷三官寺の一つとされるが、これは享和2年(1802)幕府が和人の定着・慰撫を図り、蝦夷地の教化と法務活動を行なわせるために建立したものである。
 寺は金地院[こんちいん](鎌倉)の末で、その活動範囲は、トカチ・クスリ・アッケシ・ネモロ・クナシリ・エトロフの6場所で、初代住職には、相模国津久井郡青山村光明寺の文翁が任命されている。
 寺には、山門、東面する本堂、天保6年の石仏、天保13年建立の仏牙砂利塔、歴代住職の墓所があるほか、東方の丘上には竜王殿・馬頭観音堂・神明社跡などがあり、建物の改修等により旧規を残すものがないが、よく江戸時代のたたずまいを今日に伝えている。

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)大黒島海鳥繁殖地厚岸郡厚岸町

大黒島海鳥繁殖地

コシジロウミツバメ、エトピリカ、ウミウ、ケイマフリ、オホゼグロカモメ、ヒメウ等の蕃殖地として知らる。コシジロウミツバメ最も多く毎年四月下旬頃より渡来し、島の西端燈台及び中央を流れる小川附近の草原に墜道を穿って六月下旬頃蕃殖し十月初旬南方に飛去する。エトピリカは燈台附近の断崖に墜道を穿ちウミネユはゴメ島及び対岸の地上に、又ケイマフリ、オホゼクロカモメ、ウミウ及びヒメウは東岸の断岸上で蕃殖する。

国指定文化財(重要文化財)正行寺本堂北海道厚岸郡厚岸町梅香町

正行寺本堂

正行寺は、北海道の東南、厚岸町に所在する真宗の寺院で、東北海道開拓にともなう布教活動によって、明治十二年に開かれた。
 本堂は、寛政十一年に新潟県糸魚川で建築され、明治四十三年に現在地に移築された。移築の際に、縁側を室内に取り込む等、寒さの厳しい北海道にあわせた改造を加えている。建築当初の彫刻や極彩色ものこり、北海道の社寺建築としては豪華なつくりで、北海道の開拓にともなう建築文化の普及を知る上で貴重な存在である。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))正行寺鐘楼北海道厚岸郡厚岸町梅香1-19他

正行寺鐘楼

北面する本堂の北西に南北棟で建つ。入母屋造銅板葺とする方一間の吹放ち鐘楼。唐戸面取の方柱を四方転びに建て、足固貫と内法貫、頭貫、台輪で固める。三斗組で中備に蟇股を配し、一軒疎垂木とし、格天井を張る。明治期に整えられた伽藍景観を伝える。