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群馬県・渋川市

国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))群馬県金井遺跡群出土品群馬県渋川市北橘町下箱田784-2・群馬県高崎市綿貫町992-1

群馬県金井遺跡群出土品

 6世紀、榛名山は二度大きな噴火を起こし、その東麓の地は甚大な火山災害に見舞われた。金井遺跡群(金井東裏遺跡・金井下新田遺跡)は、その一回目の大噴火(6世紀初頭)により火山灰に覆い尽くされた、古墳時代の集落跡である。
 平成20年代に行われた発掘調査では、被災した人々や動物、家屋跡や祭祀遺構とともに、膨大な量の遺物が出土した。なかでも甲を身に纏った状態で発見された人物は、貴重な甲冑を身に着け、装飾された鉾や弓矢を持ち、鹿角装の刀子や提砥石を携帯していた。これらの品々は優れた古墳の副葬品と比べても遜色ないものであり、この人物が集落内で枢要な立場にあったことを示す。集落の人々の無事を願い、鼓動する火山に向かって、何らかの儀礼を行っていたのであろうか。
 集落内で執り行われた祭祀・儀礼に用いた、大量の土器、貴石やガラス製の玉、滑石や鉄製の模造品などの祭祀遺物も特筆される。土器類はカミに捧げた飲食物に関わり、剣や鏡、農工具などを象った模造品は、それぞれの用途に則した効力が期待されたのであろう。これほど大量かつ多彩な祭祀遺物が集積した例は全国的にも稀であり、古墳時代集落における祭祀を復元するうえで、欠かすことのできない重要な情報を含んでいる。
 本出土品には、ほかにも赤色顔料の素材とみられる赤玉、鍛冶に用いた金床石や羽口など、集落内での人々の活動を表す遺物が多数ある。これらの品々は、火山災害で一時に埋もれ残ったが故に、古墳時代世界の一端を我々の眼前に鮮やかに映し出してくれる。

国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))群馬県道訓前遺跡出土品渋川市

群馬県道訓前遺跡出土品

縄文時代中期の資料。縄文時代中期中葉の住居跡6軒、土坑27基から出土。深鉢形土器34点、鉢形土器1点、浅鉢形土器3点、器台形(きだいがた)土器1点、及び土製円盤6点の土器・土製品45点と、石鏃(せきぞく)・石錐(せきすい)・打製石斧(だせいせきふ)・小型石棒等の石器・石製品117点で構成される。縄文時代中期の土器造形の一到達点を示す代表的な一括であるとともに、縄文時代中期中葉から後葉にかけての土器型式の消長を把握するための好資料として、その学術的価値は高い。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))横手館本館西棟群馬県渋川市伊香保町伊香保字香湯12-1

横手館本館西棟

東棟の西に続いて建つ。四階建で各階外壁をせがいで持ち出し、ガラス窓と化粧垂木付の水平庇を連続させる外観は東館と共通する。内部客室も当初の状況を良く残し、様々な銘木や趣向を凝らした造形、障子や欄間の精緻な細工も見事な上質の木造旅館建築である。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))横手館本館東棟群馬県渋川市伊香保町伊香保字香湯12-1

横手館本館東棟

伊香保温泉の石段の上方東側に位置する旅館で、東館は敷地中央に建つ。木造三階建、入母屋造鉄板葺で、外周部はガラス窓と各階の庇を水平に連続させ、大屋根と庇には化粧垂木を付し、要所に庇を貫く化粧丸太附柱をアクセントとし、温泉街の景観に寄与する