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埼玉県・さいたま市大宮区
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))ED四〇形式一〇号電気機関車埼玉県さいたま市大宮区大成町3-47
ED40形式は鉄道省製造の直流電気機関車で旧信越本線の横川―軽井沢間の急勾配区間を運行した。本形式は外国製の電気機関車を範としつつも、独自の改良・工夫をこらして主要機器等の設計・製造を国内にて行った始めての電気機関車であるが、本機は本形式では唯一の現存車輌であり、電気機関車の歴史、鉄道史上に価値が高い。
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))ナデ六一四一号電車
埼玉県さいたま市大宮区大成町3-47
本車輌は、鉄道院が大正3年(1914)に新橋工場において製造したナデ6110形の第32号車で、木製2軸(4輪)ボギー式電動客車である。
製造当初は、全長約16メートル、自重27・34トン。台枠、台車、床下機器を鋼製、車体を木製とし、屋根は採光と通風を兼ねた二重構造とするなど、明治時代後期から大正時代における旅客車の標準的な様式を採用する。定員は、座席四四名、吊手四八名で、乗降口は鉄道院として初採用の三扉式で、後継車輌に継承された。釣合梁式(イコライザー式、プルマン型)台車(後のDT-10型系台車)は国産であるが、自動空気ブレーキ(米国ウエスチングハウス社製)、直流直巻式50馬力の電動機や制御器(同ゼネラルエレクトリック社製)などの床下機器は輸入製品が使用された。
6141号電車は、品川電車庫に配置され大正時代に山手線、中央線などで活躍したが、大正14年に両線が昇圧されたことを機に目黒蒲田電鉄に譲渡された。以後芝浦電気、鶴見臨港鉄道、鉄道省、日立電鉄と所属を変えながら使用され続けたが、鉄道100周年の記念にあたる昭和47年に戦前の貴重な車輌として日本国有鉄道に返還された。以後数回の復原的工事を経て、現在は平成19年10月開館の鉄道博物館にて展示される。
主電動機、両側面の幕板、台車など現役時やその後の復原的工事において交換、修繕された箇所も少なくないが、構体(台枠と骨組)は改変をみず、制御機、ブレーキ装置なども改装の形跡もみられるものの、製造当初の部品が少なからず残される。
通勤通学など都市近郊輸送の急速な需要増大に応えるために、本形式は二軸台車、総括制御装置を導入した。このことは、単車のみならず連結しての高速運転を可能とし、現在へとつながる通勤電車の原型となった。明治末年から大正時代にかけての電車の近代化、標準化の変遷を伝えるほぼ唯一の車輌として鉄道史、交通史上に貴重である。
国指定文化財(重要有形民俗文化財)北武蔵の農具さいたま市大宮区高鼻町4-219
北武蔵と呼ばれる地域は、水田とともに畑作の占める割合が高く、なかでも荒川流域の麥のタレマキ法と、大宮台地周辺の低湿地や入間・所沢付近の谷水田での「摘み田」は、類似した農法としても注目される。
この収集は、このような地域的特色ある農耕に用いられる農具を中心に、水田用具・畑作用具・綿作用具など各種の農具を作業工程順に網羅的に収集している。また、農具にちなむ信仰・儀礼関係の用具や運搬用具や仕事着なども収集している。
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))太刀〈銘備前国長船住左兵衛尉景光、作者進士三郎景政、嘉暦二二年已巳七月日/〉埼玉県立歴史と民俗の博物館 埼玉県さいたま市大宮区高鼻町4-219
備前長船景光と其の一門と思われる景政の合作である。大河原丹治時基が、景光、景政に注文して奉納したことが銘文によって分かる。本太刀は、直刃を立調にして互の目を交えた鎌倉末の備前長船の作風をよく示した優品である。また、関東武将と長船鍛冶の関係を示す好資料としても貴重である。