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埼玉県・秩父市

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))栃谷八坂神社舞台埼玉県秩父市栃谷字島府402-2

栃谷八坂神社舞台

秩父盆地北部の神社にある地芝居舞台で、境内西側の広場に東面して建つ。寄棟造桟瓦葺の平屋建、正面は出桁造とし、差物を通して開放する。舞台は前二間を表、奧三間を裏とし、裏には可動式の二重舞台を備える。秩父地方の神社附設舞台の希少な遺構である。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))旧強谷織物工場埼玉県秩父市山田字上西新木1660-1他

旧強谷織物工場

市街地東北方にある旧絹織工場。木造平屋建、四連の鋸屋根桟瓦葺、屋根北面は鉄板葺で、天窓を設ける。内部は一空間で、西南北三面に出入口を設け、各棟通りの三間毎に柱を立てる。外壁下見板張、トラス小屋組。絹産業で栄えた近代秩父の様相を伝えている。

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群埼玉県秩父市・小鹿野町・長瀞町・皆野町・横瀬町

古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群

古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群は,東西・南北とも約15kmの埼玉県秩父地域の秩父盆地に広がる新生代(しんせいだい)中新世(ちゅうしんせい)(約1,700万年~1,500万年前)の海成層とパレオパラドキシア及び鯨類化石の標本である。現在の日本列島の原型は,新生代中新世の約2,000万年前から1,500万年前にかけて形成された。この時代,秩父盆地は東に開いた古秩父湾を形成しており,秩父盆地に分布する約200万年分の地層には地殻変動による湾の形成から終焉までが記録されている。
また,古秩父湾には海棲哺乳類をはじめ多様な生物群集が生息していたことが化石から確認されており,その代表が約1,200万年前まで環太平洋地域の海浜で生息していたパレオパラドキシアや鯨類など大型海棲哺乳類である。秩父盆地は日本有数のパレオパラドキシア化石産出地で,日本産出標本の5分の1が報告されている。これらの地層と化石群は,日本列島形成当時の日本近海で起こった地殻変動や生物群集及び古環境の変遷を示すもので,地層の露出状況及び化石標本の産出状態が良好であり,学術上貴重である。

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)栃本関跡秩父市

栃本関跡

S45-5-112[[栃本関跡]とちもとのせきあと].txt: 栃本は、東海道箱根、中山道横川両関所の中間にあり、江戸から甲州・信州への交通の要所に位置する。江戸初期より明治維新まで、大村家が代々関守をつとめたが、大村家は武田家の家臣で、主家滅亡後、ここに移住し、栃本組名主をもかねていた。
 関所は文政元年と5年の2度、火災によって、居宅・御番門・板矢来・柵木・高札等を焼失したので、現存のものは、その後に建て替えられたものである。奥秩父の山峡を通る旧秩父往還に面し、背後は急斜面の林叢、前面は眼下に荒川の溪谷をのぞみ、はるかに雁坂峠を越えて甲州、十文字峠を越えて信州を指呼の間にのぞみうる位置にある。建物は木造瓦葺き切妻造り、一部2階建てであるが、かつては平家で、屋根も板葺きであった。しかし、平家部分の玄関の間・中の間・上段の間と外縁、またこれと区画される居間・いろりの間・台所の私宅部分は、江戸時代の関守屋敷の様相をあきらかにとどめ、御番門・矢来・柵木等の旧位置も、絵図によってわかることは貴重である。