東京湾沿いの集落内に西面して建つ。木造平屋建、建築面積一五九平方メートル、寄棟造桟瓦葺で周囲に下屋を廻らす。正面に切妻破風の玄関を構え、北側に座敷を配し、特に奥座敷では格天井を張るなど上質な室内造作になる。武家住宅風の構えをもつ近代住宅。

旧金谷村の本道に面する敷地の中央に南面して建つ。東西１７ｍ南北１１ｍの木造平屋建。寄棟造の主棟に落棟を付ける複雑な桟瓦葺屋根を造り、下屋をまわす。基礎や風呂場などに地元産房州石を使い、洋間天井の鏝細工のアカンサスなど見応えがある細部をもつ。

屋敷地の南正面、旧本道沿いに、門を挟んで東側３０ｍ、西側２５ｍを測る。縦０．３ｍ長さ０．８ｍの房州石の切石を６～７段、高さ１．８ｍに積む。横目地が通る整層積。門付近では厚さ１．７ｍで、両端部では薄くする。長大な石垣が独特の街路景観をつくる。

敷地の北寄り、石蔵の北側に位置する。井戸枠は方１．２ｍ厚さ０．６１ｍの一枚石を０．８７ｍ径に刳り貫いたもので、四隅に面取を施す。その下部は延石を円形に積み上げ、さらに岩盤を掘り下げ、深さ８．２ｍを測る。房州石を多く使い、産地の歴史を伝える。