養老渓谷駅より約一・五キロメートル東に位置する。延長一四一メートル、直線状のコンクリート造隧道で、内部に待避所を設ける。アーチ部分および西坑門はコンクリートブロック積とする。三・五分勾配に傾け、表面に排水用の溝を刻む坑門のつくりが特徴的。

ほぼ東を正面として建ち、桁行九間梁間五間半で寄棟造茅葺とし、四面に幅一間の下屋を廻らし、正面に切妻造桟瓦葺の玄関を持つ。一階は変形六間取平面で北半に二階を設ける。たちの高い軸部や深い出桁造の軒廻りなど、当地域の近代民家の指標となる存在。

今井兼次設計の役場庁舎で、来庁者動線に配慮した一文字平面をもつ。打放しの軸部を意匠的に表して水平線を強調し、大判ガラスを駆使した簡明な立面がモダニズムの特徴を示す一方、渡廊下天井のうねる装飾、要所のモザイク壁画などに今井の本領が発揮される。

工場の正面の西寄りに位置する。基礎部分は方1.6ｍの正方形平面で、高さ16ｍを測る。イギリス積で積み上げ、頂部は三段に迫り出す。足下には点検口を設ける。重厚な工場前にそびえ立つ煉瓦造煙突で、酒醸造所らしい景観をつくる。