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東京都・江戸川区
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))東京地下鉄道一〇〇一号電車東京都江戸川区東葛西6-3-1
本車輌は、昭和2年(1927)の東京地下鉄道株式会社による浅草・上野間の地下鉄道開業にあわせ、日本車輌製造株式会社にて製造されたモハ1000形車輌10両のうちの第1号車で、最初の日本の地下鉄車輌である。
本形式は全鋼製2軸(4輪)ボギー式電動客車で、集電方式は第三軌条式とした。
構体はリベットにより鋼板を組み立て、ドイ
ツ・ベルリンの地下鉄(Uバーン)に倣い、地下でも明るく見えるレモン・イエロー色で車体を塗装した。台車は日本車輌製造株式会社製ボールドウィン型(NSK-D18型)を、電動機と制御器は米国ゼネラルエレクトリック社製、ブレーキ装置は同ウエスチングハウス社製を採用した。関東大震災の経験から、木製から半鋼製車輌が一般的であったなかで全鋼製とするなど車体の不燃化を徹底したこと、鉄道路線として初めての機械式自動列車停止装置を備えたことなど安全性を最優先する。一方、木理仕上げとする内装の鋼板化粧板、未使用時に美観に優れる米国製バネ式吊手(リコ5号)、淡黄色で天井を照らす間接照明の採用など乗客の快適性が追求される点も特筆される。
本1001号電車は、その後東京地下鉄道の延伸(浅草・新橋間)、東京高速鉄道との直通運転(浅草・渋谷間)を経て、昭和16年以降は帝都高速度交通営団に所属し、同43年の廃車まで一貫して浅草・渋谷間(現・東京メトロ銀座線)で使用された。廃車後は、交通博物館を経て昭和61年から地下鉄博物館にて展示されてきたが、この間現役時の修理に加え、数度の工事(昭和45年、同52年、同59年)が実施されている。
車輌は、昭和59年からの大規模な復原的工事で新調される箇所も少なくないが、構体の大部分及び客室内の多くの部分などに新製当初のものが残り貴重である。
本件は、我が国の地下鉄電車の嚆矢であり、その後の地下鉄車輌の規範となったものとして鉄道史、交通史上に学術的な価値が高い。
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)善養寺影向のマツ東京都江戸川区
善養寺に生育するクロマツの巨木で、樹高約8m、根元周囲4.5mほどである。しかし、地上2mの位置で枝が四方に伸び、東西方向約28m、南北方向約31mにおよぶ樹冠を形成し、均整のとれた枝振りにより日本屈指の樹形を示す。