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神奈川県・横浜市西区

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))旧川本家住宅表門及び石垣神奈川県横浜市西区西戸部町一丁目14-2他

旧川本家住宅表門及び石垣

主屋玄関東側に配した表門と、敷地東面及び北面を矩折れに区画する石垣。緩やかな石段上に建つ表門は、間口一間切妻造平入桟瓦葺袖塀付きで屋根に起りを付す。石垣は凝灰岩のブラフ積で上部に低い石塀を載せる。いずれも丁寧なつくりで屋敷の表構えを整える。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))旧川本家住宅内蔵神奈川県横浜市西区西戸部町一丁目13

旧川本家住宅内蔵

主屋北西に接続する家財蔵。二階建切妻造妻入桟瓦葺で南北棟の小規模な土蔵で、外壁は漆喰塗仕上とし、軒に鉢巻を廻す。北面に2箇所の窓を開け、庇持送には繰形を付す。各階一室の板敷。隧道開削以前から存在しつつ、外観重厚ながら主屋と良く調和した土蔵。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))旧川本家住宅主屋神奈川県横浜市西区西戸部町一丁目13

旧川本家住宅主屋

横浜港北西の丘陵に位置し、京浜電気鉄道の隧道開削に伴い新築した平屋建の主屋。内部は廊下や部屋境の棚の配置などで各室の独立性を高めた近代的な平面。寄木張床の応接室を含め外観和風で統一し、繊細な意匠の建具や随所に銘木を用いた良質な近代和風住宅。

国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))日本丸〈/昭和五年、株式会社川崎造船所製〉           神奈川県横浜市西区みなとみらい2-1-1

日本丸〈/昭和五年、株式会社川崎造船所製〉             

日本丸は、文部省が船員養成用の練習船として発注し、昭和5年(1930)に株式会社川崎造船所にて竣工した鋼製帆船である。昭和5年より昭和59年まで(昭和18年に航海訓練所に移管)の54年間にわたり、船員養成のための実習用帆船として使用された。ただし、戦中期は内航物資輸送、終戦後は引き揚げ、特殊輸送等に従事した。昭和59年9月に2代日本丸が竣工し、日本丸の練習船用途は廃止されて横浜市に引き渡され、練習帆船として財団法人(現・公益財団法人)帆船日本丸記念財団の管理のもと保存・活用に供せられる。
 日本丸は、横肋骨方式リベット構造、鋼製補助機関付帆船で、船形は長船尾楼甲板である。船体は、横肋骨状の鋼製フレームに、鋼板を帯状に左右各12段ずつ張りつめて船底及び両舷を形作り、鋼板にて4層の甲板を設け、各鋼材をリベットにて接合し構造体とする。全通甲板は上甲板と第2甲板の二層で、船底は区画式二
重船底、6カ所に水密隔壁を設け、国際条約を先取りした安全対策を講じる。本船はリベット構造船の典型を示すが、保存船が極めて少ないなかで稀少性が高く、外板も建造時の材料を7割残すなど鋼材の残存率の高さも評価される。帆装は、最後尾の帆のみ縦帆、それ以外を横帆とするバーク型で4檣である。主機関は、株式会社池貝鉄工所制作の6気筒、600馬力の低速4サイクル無気噴油ディーゼル機関(池貝6-SD-40型)2基が搭載されたが、本機関は国産初の大型ディーゼル機関であり、約7万時間にも及ぶ比類ない使用実績を有する。
 なお、日本丸には日誌類、来歴簿などの文書・記録類と建造及び修理工事に関係する図面類が伝存しており、附として保存する。
 日本丸は、時代の変化に対応しながら船員養成システムの標準化と高度化に貢献し、1万人を超える実習生に洋式大型帆船の運航技術を習得させ主として海運業を支える船員を輩出し、我が国の海運業の発展に貢献した。また、ディーゼル機関導入期において国内技術を多用し建造した大型帆船の構造、艤装をよく伝え、わが国の海運史、造船技術史等研究上に貴重である。