敷地南面中央に建つ一間薬医門。切妻造桟瓦葺で、2・7メートルの間口に門扉を開く。五平の本柱に縦長の冠木を渡し、軒は一軒疎垂木とし、破風の拝みに大振の雲紋彫刻の懸魚を飾る。簡素ながら良質なケヤキ材を用いており、旧家の屋敷構の一端を伝える。

中原街道に面する旧家の屋敷地の南寄りで、覆屋内に北面して建つ。一間社流造銅板葺で正面に軒唐破風を付し、四周廻らす縁を腰組で支える。組物は出組の詰組で、各間に蟇股を置き、向拝海老虹梁には角状の飾りを付ける。小規模ながら上質なつくりの社殿。