五十嵐川西岸の敷地に移築した旧本陣の長屋門。通りに南面して建つ桁行１５間半、梁間２間、切妻造平入桟瓦葺で、中央東寄りを門口とし、両脇に各一室の土間を配す。軒をせがい造とし、門口にケヤキの一枚板の板扉を吊るなど、間口長大で豪壮な構えの長屋門。

客殿の背面と太鼓橋で結ぶ切妻造桟瓦葺である。庫裏の北に中庭を介して接続する。中庭に面して一二間半三室からなる対面の間、中庭西に一〇畳二室の内対面の間を配す。中庭側と内対面の間の南から西に土縁がつくのは雪国らしい。落着いた造作の座敷群である。

客殿と庫裏の間を繋ぐ桟瓦葺の南北棟である。東面中央の玄関唐破風には懸魚を三つ飾る。内部は、表玄関の間一〇畳の北が小会議室で、南の応接室は昭和前期改装の洋室である。西には南北廊下を通して客殿と庫裏を結ぶ。重厚な式台玄関が境内景観を引き締める。

境内南西に建つ入母屋造桟瓦葺で、東正面に妻を見せ、北寄りに内玄関、南に御大途玄関を開く。床上中央の囲炉裏の間は二四畳の二室で、前身本堂の柱を削り直した夫婦柱が立つ。南側の寺務所は元は土間であった。客殿南に並び建ち、境内空間を印象づける。