管理棟と展示棟を結ぶ回廊。南側に壁を建て、片持状に床と屋根を張り出す。両棟と相まって庭を画するのみならず、展示棟を聖なる世界に見立て、その媒介としての強い意義を与えられていたと伝えられ、記念館全体の空間構成を有機的にまとめる建物である。

切妻造平入の平屋建で、敷地の前面側に建つ南北棟。北寄りに外部階段を設けて玄関とし、南側に来館者の受付機能と事務室を配する。南西隅以外の濡縁、緩やかな屋根と深い軒の出、開口部の縦格子が意匠上の特徴で、谷口の得意な現代の和風表現を実現している。

生誕地である出雲崎町において、良寛の遺墨などを展示するために建てられた記念館。設計は谷口吉郎。切妻造妻入平屋建で、東西北の各面に濡縁を巡らす。全体に建ちが低く、周辺環境とよく馴染む。谷口の特徴をよく表す鉄筋コンクリート造和風表現の秀作。

主屋前方に東面して建つ桁行３間，梁間２間規模の土蔵造２階建。切妻造，桟瓦葺の置屋根を置き，平入とする。正面に奥行１間の蔵前を設け，西面，南面にそれぞれ窓を設ける。外壁は漆喰仕上げとし，上部に鉢巻を廻す。主屋とともに風趣に富む敷地景観を形成。