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石川県・河北郡津幡町

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))奥野家住宅門石川県河北郡津幡町字川尻タ91

奥野家住宅門

通りに面して、主屋式台の前面に建つ一間薬医門。主屋移築と同時期に建設されたとみられ、大型の主屋に対応して、間口は二・七メートルと広くとる。屋根は桟瓦葺とする。堂々とした風格の門で、屋敷正面にあって、街路景観に欠かせない要素である。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))奥野家住宅土蔵石川県河北郡津幡町字川尻タ91

奥野家住宅土蔵

米蔵と道具蔵の二棟からなる。はじめ米蔵が当地に設けられ、道具蔵が主屋とともに富山県西部から移築された際に、壁を共有して一体の横板張りの鞘で覆い、敷地内側に下屋を付けたとみられる。下屋側の腰には六角形の海鼠瓦を貼るなど、要所に装飾を施す。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))奥野家住宅主屋石川県河北郡津幡町字川尻タ91

奥野家住宅主屋

河北潟にほど近い川尻地区に位置する。富山県西部から移築された、大型のいわゆるアズマダチ民家で、妻入とする。式台奥の広間はワクノウチと呼ばれる太い貫を多用した構法を採るなど、内外とも地域的な特色を見せる。座敷部も土縁を伴う続き間座敷とする。

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)加茂遺跡石川県河北郡津幡町

加茂遺跡

河北潟(かほくがた)と宝達(ほうだつ)山脈とに挟まれた平野部に位置し,加賀国・越中国・能登国の境界付近にあたり,遺跡の東端付近を北陸道(ほくりくどう)駅路(えきろ)が通過している。平成12年の調査では,駅路側溝(そっこう)に連結する大溝から百姓の心得を記した加賀郡牓示札(ぼうじふだ)をはじめとする複数の木簡が出土し注目を集めた。河北潟につながる東西方向の南北2本の大溝に沿って,倉庫をはじめとする複数の掘立柱(ほったてばしら)建物や仏堂跡が検出されている。
駅路の敷設と廃絶時期が南北二つの大溝周辺の掘立柱建物群の成立時期と廃絶時期に合致すること,二つの大溝は遺跡と河北潟を結ぶ運河としての機能が考えられ,大溝の岸に沿って倉庫群が造られていることなどから,この遺跡は日本海の海上交通と北陸道駅路を用いた物資の運搬に関わる公的な性格が考えられる。また加賀郡牓示札等の出土木簡からは,百姓の管理のための施設や剗(せき)としての機能も有していたことが推測される。
水陸双方の交通に関連する施設であるとともに,百姓の管理などさまざまな機能を持った加賀郡家(かがぐうけ)(郡衙(ぐんが))の出先機関である可能性が考えられ,奈良時代から平安時代の交通政策のみならず,地方支配の実態を知る上で重要である。