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山梨県
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))深鉢形土器山梨県甲府市下曽根町923
安道寺遺跡は、甲府盆地北東部の台地上に立地する縄文時代中期の集落遺跡で、17号住居跡内の土坑から出土した深鉢形土器である。
きわめて大形の深鉢形土器で、底部は平底である。渦巻文や円形文・蛇行文などが複雑に施文される四単位の大仰な把手が最たる特徴で、こうした過剰な装飾が器面を埋めている。この特徴は、中部高地を中心に分布する縄文時代中期後半期の曽利式土器に特有で、把手装飾などの諸特徴から「水煙文土器」と呼称され、曽利式の初期段階に位置付けられている。大きさに対し、9割が残る遺存状態は特筆される。
また、他の深鉢形土器1箇と別個体の把手4点が、共に埋納された状態で発見されている。
本深鉢形土器は、曽利式土器の研究における基準資料であり、埋納という象徴的な出土状況は縄文土器の儀礼的利用の実態をよく表している。姿形の卓越性、複雑な文様の装飾性は、中部高地における縄文時代の造形技術の極致と言えよう。
国指定文化財(記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財)丹波山のお松引き山梨県北都留郡丹波山村
丹波山のお松引きは、山梨県北都留郡丹波山村に伝承される正月行事で、正月に各家で飾っていた門松を集めて大きな山車を作り、集落境にある道祖神場まで引いていき、その年に迎えた年神を送る。山車は、二股の木ゾリを土台にして、その上に丸太で櫓を組み、門松を積み重ね、全体に竹をさし立て覆った形態をとる。山車の正面には、その年の干支飾りと引き綱がつく。山車は、丹波地区の住民を中心に引かれ、木遣り歌やお囃子とともに進み、その途中では、縁起物の餅やミカンなどが撒かれる。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))旧宮下家住宅(柏屋)米蔵山梨県富士吉田市上吉田四丁目264
上吉田の中央西側に位置し、かつて雑貨商を営んだ商家の米蔵。敷地西寄りに建つ、二階建切妻造平入、置屋根形式の鉄板葺で外壁漆喰塗仕上。東に戸口を開けて下屋を付す。各階一室の板敷で、内壁は板を積んだいわゆる井籠蔵。戸口の掛子塗扉など丁寧なつくり。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))小澤家住宅主屋山梨県富士吉田市上吉田六丁目132
上吉田の南西部に位置する御師住宅の主屋。タツミチの西に東面して建つ平屋建切妻造妻入鉄板葺。北に土間と台所、南に三列部屋を並べ、西中央に玄関を構える。南西の主座敷は床・棚・菱格子欄間の付書院を備える。間取りなど御師住宅の様相をよく留める主屋。