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青森県・五所川原市
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)山王坊遺跡青森県五所川原市
津軽半島のほぼ中央部,日本海に面した十三湖(じゅうさんこ)と呼ばれる潟湖(せきこ)の北岸に位置する中世宗教遺跡である。十三湖周辺には,南北朝から室町時代にかけてこの地を支配した安藤氏に関連する遺跡が多数存在するとともに,中世的景観が色濃く残る。
遺跡は十三湖北岸,安藤氏の居館とされる福島城の北方,山王坊川が流れる沖積地の奥まった山間部の谷間に立地しており,発掘調査の結果,拝殿,渡廊(わたりろう),舞台,中門,本殿と考えられる礎石建物が一直線に並ぶ神社跡,廂(ひさし)を含めた東西7間,南北5間の南面する建物を中心にコの字状に配置された建物群から成る寺院跡といった,中世の神仏習合を示す伽藍が極めて良好な状態で保存されていることが明らかになった。また,造営にあたっては室町幕府と密接な関係にあった安藤氏が深くかかわっていたことは疑いなく,整然と配置された伽藍は南北朝から室町時代における京都との交流を具体的に示している。さらに,十三湖を中心に分布する史跡十三湊遺跡(とさみなといせき)や福島城などと一体のものとして中世的な景観を構成するなど,中世社会,文化を知る上でも重要である。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))津軽鉄道旧芦野公園駅本屋青森県五所川原市金木町芦野84-171
津軽鉄道の昭和五年開通時に建てられた駅舎で、木造平屋建として正背面に下屋を設け、壁は簓子下見板を張る。両妻を半切妻として小窓を付し、入口に腰折れ破風を設けて洋風意匠を加味する。内部には駅務室と待合室を隔てたカウンターが残り、往事を伝える。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))阿部家住宅文庫蔵青森県五所川原市大字羽野木沢字実吉16
主屋の北側に東西棟で建つ。土蔵造二階建、桁行一一メートル梁間五・五メートルで、南面の戸口に下屋を設け、土戸は木瓜形の内側に渦紋を添えた意匠とする。切妻造鉄板葺で破風に懸魚を飾る。外壁は漆喰塗で腰を海鼠壁とし、東面二箇所、西面一箇所に窓を設ける。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))阿部家住宅主屋青森県五所川原市大字羽野木沢字実吉16
敷地中央に南面する木造二階建で、桁行は三五メートルを超える。入母屋造銅板葺で下屋を廻らし、二重せがいの軒先を千鳥に配した腕木で支える。居室には一八畳の座敷など多数の広間を配し、室境に繊細な組子や透彫の欄間を飾る。大規模で上質な近代和風建築。