主屋の背後に位置し、北面して建つ家財蔵。二階建切妻造妻入、置屋根形式で、外壁漆喰塗とし、一階正面戸口と二階窓に掛子塗扉を吊る。内部は各階一室の板敷とし、中央の独立柱で棟木を支持し垂木を架ける。軸部木太く、明治二二年大火前に遡る貴重な土蔵。

大町市の中心部、糸魚川街道に北面して建つ旧塩問屋の町家。２階建切妻造平入瓦葺で、正面二階は柱と貫を現して袖壁を付す。内部は２列７室を配し、南西に十二畳の床構え付きの座敷を配す。妻面を柱形を現して漆喰で塗込め、明治22年大火後の復興を伝える。

大町市街中心部に所在する町方庄屋の屋敷の門。店舗の北に並んで通りに開き、庭を介して主屋へ導く。切妻造桟瓦葺の薬医門で、北側袖壁に潜り戸を設け、桟瓦葺板塀が連なる。店舗との間も板塀で塞ぐ。装飾は殆ど無いが、格式有る構えで歴史的景観を伝える。

大町市街地の町方庄屋の住居。通りから門、庭を前面に介して位置し、南側の店舗側面後方と接続する。切妻造平入で元は板葺。壁は真壁造漆喰仕上。庭に面して床構え付続き座敷、背面側に家人用座敷を並べる。近代以降も町の要職を務めた旧家の佇まいを伝える。