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岐阜県・瑞浪市

国指定文化財(登録記念物)曽根氏庭園(磁叟庵庭園)岐阜県瑞浪市

曽根氏庭園(磁叟庵庭園)

製陶業者の邸宅に造られた庭園で,岐阜県の南部を流れる猿爪川(ましづめがわ)沿いに形成された小盆地の西端に位置する。大正末期に邸宅が新築された後に庭園の造営が始まり,昭和2年(1927)に完成した。作庭は名古屋の庭師の手によるものと伝わる。
曽根氏の邸宅は,敷地の中央に主屋,その南側に離れ,北側に蔵を配置し,庭園は主屋の南側から西側に広がる主庭のほか,離れの南側や玄関前等,複数の空間から成る。
主庭は,主屋の座敷の南側と西側に面し,主屋から南を望むと右手奥に築山(つきやま)が見える。築山からは手前に向かって枯流(かれなが)れが造られ,そこに石橋が架かる。庭内には花崗岩の飛石(とびいし)が縦横に打たれ,それらは庭門,主屋,離れ等を結ぶ。飛石の分岐点には大ぶりの踏分石を配置し,また随所に花崗岩の景石を据える。
製陶業者の邸宅に造られた近代庭園である曽根氏庭園(磁叟庵庭園)は,岐阜県の造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。

国指定文化財(登録有形民俗文化財)美濃の陶磁器生産用具及び製品瑞浪市明世町山野内1-6

美濃の陶磁器生産用具及び製品

 本件は,岐阜県南東部の東濃地域で作られてきた陶磁器の生産用具とその製品を広域的に収集・整理したものである。
 良質な粘土に恵まれた東濃地域は,平安期にはすでに陶器が作られていた。江戸期に美濃物と呼ぶ生活雑器を主に生産するようになると、江戸後期には磁器も作られるようになった。明治期には輸出用の洋食器も大量生産され,地区ごとに特定の製品を生産して経費削減を実現させ,今日まで我が国の生活雑器の主産地となっている。
 生産用具は,粘土を採取する採土用具から製土,成形,乾燥,絵付,施釉,焼成,販売までの用具がほぼ網羅されている。特に絵付用具のドウバンは大量生産のため明治期にこの地域で考案されたもので,焼成の際に器を保護するエンゴロとともに美濃焼の特色ある生産用具の一つである。
 製品は,地区ごとに生産された各種の陶器、磁器のほか,生産工程がわかる半製品も含まれている。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))美濃窯業株式会社瑞浪工場丸型煙突岐阜県瑞浪市寺河戸町字上門田924-1

美濃窯業株式会社瑞浪工場丸型煙突

工場建物の南東寄りに位置する。小口積の煉瓦造で、基部平面は直径三メートルの円形とし、高さは二四メートルを測る。現在は鉄製アングル材で補強される。窯業が盛んな当地の歴史を物語る遺構として価値があり、同工場の角形煙突とともにランドマークとなる。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))美濃窯業株式会社瑞浪工場角型煙突岐阜県瑞浪市寺河戸町字上門田921-4他

美濃窯業株式会社瑞浪工場角型煙突

煉瓦造、イギリス積で、基部の平面は二・三メートル角の正方形とし、高さは二六メートルを測る。腰部に装飾的な帯状部を設け、現在は鉄製アングル材で補強している。窯業が盛んな東濃地方に残るものとして最大級の煉瓦煙突であり、当地の近代産業史を伝える。