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岐阜県・郡上市

国指定文化財(重要無形民俗文化財)寒水の掛踊岐阜県郡上市明宝寒水

寒水の掛踊

 寒水の掛踊は,太鼓と鉦を打ちつつ躍動的に踊る拍子打ち,拍子打ちを輪となって取り囲み,様々な扮装で多様な踊りを見せる踊り手たち,踊り歌の歌い手たちが繰り広げる風流の太鼓踊である。踊りの隊形や音楽の構成,歌唱の形式など,美濃地方,さらには近畿圏に多く伝承される風流の太鼓踊にみられる特色を良く伝えている。また,趣向を凝らした演者の出で立ちや,毎年定期的に演じられ,大規模であることなど,寒水ならではの独自性が認められ,地域的特色も示している。
 寒水の掛踊は,岐阜県郡上市の北東部に位置する寒水に伝承され,毎年,寒水白山神社の例祭で奉納されている。準備から実施に至るまで,寒水の人々が総出で行う大規模な芸能である。両日ともに,中桁という屋号を持つ家の前庭での「中桁前の踊り」,神社境内での「お庭踊り」,「拝殿前の踊り」の計3回が踊られる。踊りの庭に練り込むと反時計回りにまわりながら,拍子打ちは庭の中央に,それ以外の者は拍子打ちを取り囲む大きな輪を作る。踊りの曲は,拍子打ちの太鼓と鉦の演奏を聞かせる「歌頭」,踊り歌を聞かせる部分,再び拍子打ちの演奏を聞かせる「打ち上げ」の三部構成となっている。この掛踊で重要な役割を担う拍子打ちは4名で,3名が胸前に締め太鼓を付け,1名は鉦を手に持ち,いずれも背中にシナイを背負う。シナイは長さ3.6メートルほどの割竹8本を桶状のものに挿して固定した形状で,割竹には色紙が巻かれ,造花などで飾られている。拍子打ちはシナイを地面に打ち付けるような所作もみせ,躍動的に踊る。また,踊り歌の歌唱は,音頭と地歌という役割の者たちが,交互に同じ歌詞を繰り返し歌いつつ進行する形式をとる。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))長良川鉄道郡上八幡駅跨線橋岐阜県郡上市八幡町城南町字中島188-54

長良川鉄道郡上八幡駅跨線橋

本屋北方に位置し、上下線のプラットホームを接続する。橋桁はスパン一一メートルで、斜材に木材、垂直材に棒鋼を用いるハウトラス形式とし、階段を含め全体を木造トラスで支える。外装は竪板張。鋼材使用を極力抑える構法に、時代性がよく示されている。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))長良川鉄道郡上八幡駅下りプラットホーム及び待合所岐阜県郡上市八幡町城南町字中島188-54

長良川鉄道郡上八幡駅下りプラットホーム及び待合所

本屋と対面し、緩やかに湾曲する木造上屋付の玉石積プラットホームと待合所よりなる。上屋は延長四〇メートルで、傘形に組んだ古レールで支える。待合所はプラットホームのほぼ中央部に建ち、腰を下見板張とし、三面に連続窓を設ける開放的な形式になる。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))長良川鉄道郡上八幡駅物置及び梃子上屋岐阜県郡上市八幡町城南町字中島188-54

長良川鉄道郡上八幡駅物置及び梃子上屋

本屋の南方に西面して建つ。桁行三間、梁間二間規模の物置及び灯室と、その南側に接続する間口一間の梃子上屋よりなる。灯室には信号関連機器を保管した棚を備え、梃子上屋は四本の鉄製の信号梃子を残す。昭和初期の鉄道信号システムの様相を今に伝える。