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静岡県・富士宮市
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))吉澤家住宅煉瓦蔵静岡県富士宮市宮町947-1
浅間大社の門前に位置する文具店後方に北面し、土蔵造二階建で北に下屋を設ける。下屋は軸組の外側に長手に積んだ煉瓦壁を内面に現し、主体部も同様に煉瓦積を内包する木骨煉瓦工法とみられる。明治期に市内で盛んに建てられた煉瓦蔵の希少な遺例である。
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)大鹿窪遺跡富士郡芝川町
静岡県東部、芝川町に所在する縄文時代草創期の集落跡である。遺跡が所在する羽鮒丘陵は新富士火山の泥岩流により形成された溶岩台地で、遺跡北方には富士山を仰ぎ見ることができる。遺跡からは、当該時期としては国内最多となる14基の竪穴住居が確認された。その壁面及び外周には柱穴が巡り、床面中央に焼土粒・炭化物粒を埋土に含む炉と考えられる掘込みをもつものもある。これら竪穴住居は、広場と推定される空間域を中心に半円形に計画的に配置されている。出土遺物は、縄文土器と石器を中心として26,000点に及ぶ。土器は、押圧縄文系、隆線文系、爪形文系等の草創期の土器が主体を占め、出土石器は、石鏃、尖頭器、有舌尖頭器などの狩猟具や、植物利用に供された石皿、磨石、敲石などがあり、草創期を特徴づける矢柄研磨器も出土した。
縄文時代草創期の大鹿窪遺跡は、竪穴住居によって構成される集落跡としては最古段階の事例であり、その竪穴住居数も当該期としては国内最多である。これまで縄文文化成立期における居住の痕跡は従来洞窟・岩陰遺跡で注目されてきたが、開地遺跡における集落構造のあり方を知ることのできる稀少な例である。
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)富士山山梨県、静岡県
万葉の昔から雄大美麗な姿を讚美され、いつの時代にも我が国土の象徴として崇仰されて来た海内隨一の名山である。山頂は旧火口孔を中心として海拔3776米の剣ケ峰、以下数峰にわかれ山腹に大室山その他の寄生火山を抱く、山腹から山麓にかけて大森林あり、原野あり、火山現象の種々な遺跡に富む北は五湖、南は駿河湾にいたる広大な裾野を擁して錐狀(コニーデ型)火山の標式的な美を形成している。山頂からは南北アルプスの高山群、関東平野、箱根連山、海上に伊豆諸島を遠望し、その視界八洲に及ぶ。
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)千居遺跡富士宮市上条
S50-5-116[[千居]せんご]遺跡.txt: 富士山の西南麓のなだらかな裾野に立地する繩文時代中期の集落跡および配石遺構を主体とする遺跡である。集落跡は径約50メートルの大環状をなす20余棟の円形竪穴住居跡からなっている。住居跡は径7.3メートルから3メートルまでの大きさで、重複したものもある。配石遺構は人頭大の石を運んで構築したものである。長さ約40メートルの直線状および弧状の帯状組石があり、この内外に環状配石、主体配石等が配置され、一部に石棒等も用いられている。この遺跡はいわゆる配石遺構のうちでも大規模なものであり、集落跡と複合して全貌が調査された点で学問的にも貴重なものである。