駅開業時のプラットホームと後設の上屋。プラットホームは側面が間知石積の島式で、全長五〇メートルのホームと西端のスロープからなる。上屋は鋼管を湾曲させた持送と、支柱及び屋根アーチを溶接してキノコ形の躯体を作る。独創的形態で市民に親しまれる。

敷地南面中央の石段上に構える門と左右にのびる塀。門は三間薬医門、切妻造桟瓦葺で正面を出桁とする。中央間を板戸両開として西間に潜戸を設け、壁は漆喰塗で腰高に簓子下見板を張る。塀は石垣上に建ち、竪板張。間口の広い薬医門が地域の歴史を伝えている。

旧東泉院境内に南面して建つ。桁行七・三メートル梁間四・五メートル、土蔵造二階建、切妻造で、南面に下屋を設けて戸口を開き、二階に窓を設ける。外壁は漆喰塗で鉢巻を廻らし、南面の腰を海鼠壁、他を簓子下見板張とする。富士修験に係る東泉院唯一の遺構。

商店街に所在する町家形式の店舗兼用住宅。正面に成の高い桁を通し、二階は出桁造とする。店舗部にカウンターや傾斜付の量売り台など酒店の設えを残し、二階は和室主体ながら洋間も附属し、何れも材工共に質が高い。製紙業を主とした当地の隆盛をよく示す。