東名高速道路御殿場インター近くに構える岸信介の本邸。居間・和室等よりなる庭に面した接客空間を中心に、サービス空間、二階の居住空間を配し、全体を「日本的コッテージ風」でまとめ、洗練された戦後の和風建築。吉田五十八晩年の代表作の一つ。

敷地西寄りに建つ、南北に長い平面の鉄筋コンクリート造で、中央南寄りに玄関を張出す。ラーメン構造を現し、水平軒を強調した立面などモダニズムの特徴を示しつつ、二階屋根に勾配をつけ、玄関ホールなど要所を自然石貼とするなど、内外観に変化をもたせる。

西面し、広場越しに富士山を望む。平屋建の応接室棟と居室棟を渡廊下で接続し、前者は暖炉を備えた応接室と居間、後者は和室と水回りからなる。両棟とも開口を広く取り、外壁は腰高に下見板を張り、小壁と水平な軒裏を漆喰塗とする。落ち着いた佇まいの施設。

ゴルフ場の中央東寄りに建つ。建築面積1084平方メートル、鉄筋コンクリート造及び木造2階建、切妻造鉄板葺。建ちを抑えた直線的で明快な立面構成になり、内部では丸太の柱や方杖を表し、石張りの暖炉を築く。レーモンドの作風をよく示すクラブハウス。