玉野第四隧道より約三〇〇メートル多治見寄りに築かれる。線路を盛土して築堤した際に、沢水を抜くために設けられた煉瓦造の暗渠。立坑約九メートルと、庄内川に向けた横坑約一一メートルからなる矩形の断面を持つ。当時の技術水準を示す貴重な遺構。

玉野第三隧道より約四〇〇メートル多治見寄りに築かれる。延長七五メートルの直線状の隧道で、断面は単線仕様の馬蹄形、覆工は側壁を煉瓦の長手積とする。内部に待避所を持つ。坑門も煉瓦造で、笠石などの要所に切石を用いて装飾する。官設鉄道用隧道の好例。

中央線の高蔵寺多治見間は庄内川沿いの渓谷地に敷設され、多くの隧道が築かれた。玉野第三隧道は官設鉄道の標準例に則った単線仕様の馬蹄形断面。煉瓦造の躯体で、内部に待避所を持つ。延長七六メートル。坑門は付柱を施し、下部を切石積とし、装飾的に見せる。