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愛知県・豊田市

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)旧龍性院庭園愛知県豊田市

旧龍性院庭園

愛知県豊田市の猿投山(さなげやま)(標高629m)の南麓に位置する,近世に造られたと考えられる庭園。龍性院は猿投神社の神宮寺の1つであったが,廃仏毀釈により廃寺となり,その際に建築物は取り壊されたものの庭園は破却を免れた。近年行われた調査によって,地割,石組等が旧態を良好にとどめ,江戸期の絵図とよく一致することが確認された。
庭園は東側にあった客殿からの観賞を主とする。右手奥に最も大きな築山が築かれ,その裾に近いところに滝が造られている。築山は左奥にもあり,右手の築山と左奥の築山との間をなだらかな峰が結ぶ。池泉には出島,岬等が造られ,護岸の石組は入り組んだ曲線を描き,随所に大ぶりの石が配されている。現在は水が涸れており,取水及び排水の経路も分からなくなっているが,石組護岸がよく残り,石橋も往時のまま架かる。使用されている石の大部分は猿投山付近で採取されたもので,一部には東濃地方(土岐市・瑞浪市・多治見市周辺)のものも含まれている。
旧龍性院庭園は近世の三河地域の庭園文化の広がりを示す良い事例であり,その芸術上の価値及び日本庭園史における学術上の価値は高い。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))安長寺山門愛知県豊田市梅坪町五丁目14-1

安長寺山門

豊田市西部の高台にあり東面する。一間一戸の楼門で、上層に三尊仏を安置していた。屋根は入母屋造で妻飾は虹梁大瓶束で渦状の笈形を付す。下層は柱を内転びに立て、絵様肘木と持送りで縁葛を支え、上層の組物は二手先で板支輪を地紋彫とし、大工の技量を示す。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))豊田市藤岡民俗資料館(旧藤岡中学校特別教室棟)愛知県豊田市藤岡飯野町井ノ脇401

豊田市藤岡民俗資料館(旧藤岡中学校特別教室棟)

旧藤岡町の中心地に位置する。桁行三六メートル、梁間九・四メートル、木造平屋建、切妻造桟瓦葺で南北棟で建つ。小屋組はキングポストトラス。外壁は下見板張で、東面には出窓を設け、ガラス窓を多用し、採光に工夫を凝らす。特別教室棟の様相を今に伝える。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))喜楽亭愛知県豊田市小坂本町1-25

喜楽亭

庭園内に東面して建ち、木造二階建、妻入、入母屋造桟瓦葺で、周囲に庇を廻らす。正面中央を玄関として南側に出格子をたて、二階の窓に高欄付の縁を設け、妻の破風に起りをもたせるなど、瀟洒な外観とする。内部の造作も洗練され、老舗料亭の風情を伝える。