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滋賀県・栗東市

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))猪飼家住宅長屋門塀滋賀県栗東市手原四丁目1114

猪飼家住宅長屋門塀

長屋門の北東隅から東にのびて敷地を画す塀。延長九・一メートル、切妻造桟瓦葺で、東寄りの潜りに板戸を片開きとする。切石積基礎に布石を伏せて柱を立て、腕木で軒を受ける。壁は外部漆喰塗で腰を竪板張とする。長屋門とともに街道筋の表構えを形成する。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))猪飼家住宅長屋門・看板所滋賀県栗東市手原四丁目1114

猪飼家住宅長屋門・看板所

東海道に北面する入母屋造の長屋門。中央の門口に重厚な扉を開く。西側の室の東面を式台として虹梁を架ける特異な形式をもち、東側は床付の十畳とする。外観は漆喰塗と簓子下見板張で与力窓を設ける。代官所の風格を備えつつ、看板所が薬種業の名残を伝える。

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)大角氏庭園栗東市六地蔵

大角氏庭園

 大角氏庭園は,江戸時代初期の頃から製薬・販売で知られた商家で,東海道草津・石部の間の宿をも兼ねた大角家の庭園である。本家は店舗を主とする主屋と書院からなり,主屋は貞享から元禄初年頃の普請になると考えられていて,書院も主屋の建立からそう遅くない時期に建築されたものと考えられる。庭園はこの書院から見る位置に主たる景を置いて造られていて,書院と合わせて築造されたことを伺わせる。
 庭園は500m2程(南北約20m)でさして広くはないが,書院上段ノ間前面に池を掘り,その先南側に急勾配の築山(高さ4m余)を築き,築山尾根線を南にやや下ったところで混植刈込生垣と西は旧葉山川の堤防によって庭景を限っている。この庭園の主たる景として,築山の西寄り斜面鞍部の尾根線近くから枯滝を組み下し池の南西部に流れ落ちる勢いを見せている。この景は上段ノ間の床前に座し附書院障子窓を開けて庭を見たときの正面池越しに見ることができる。今ひとつの景は上段ノ間北次の間の西に接する小座敷床前から見るもので,池越し築山中腹に据えられた品字風の石組と中腹稜線に建てられた三重宝篋印塔を見る景である。
 庭園の前景をなす池には東寄りに花崗岩製切石反橋が架けられ,池中には本来数個の岩島のみであったが,明治になって大きな中島が設けられた。池と書院の間には飛石園路が打たれている。上段ノ間西側の縁沿いには不整形自然石・大振り鉢型の手水鉢が据えられ,西隣主屋前にも笠灯籠と細型棗手水鉢が据えられている。書院主人側から東南端に日向山がみえる。
 植栽としては,枯滝附近にマキ・モミジを植え,滝左手中腹と右手裾部にアカマツの高木植栽を施す。池の書院寄りにはウメを植え鑑賞の要とする。
 本庭園は,江戸時代前期末頃の商家の書院から鑑賞する庭園として伝えられた貴重な庭園で,名勝に指定してその保護を図ろうとするものである。

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)旧和中散本舗栗東市六地蔵

旧和中散本舗

旧東海道草津宿と石部宿との間にあり、薬種和中散を製造販賣したところで、建物は東海道を挾んで南北の二部に分たれる。南部は主要部であつて、その向つて右は店舗、仕事場及び住居に充てられ、店舗には看板、湯沸釜等旧時のまま存し、土間を隔てた仕事場には木製の動輪、歯車によつて操作される製薬用の石臼がある。これに連つて左側には正門、玄関を設けた座敷構の部分が、街道向側には馬繋ぎ、薬師堂、控家がある。
当家は慶長年間この地に来住したと傳えられるが、主屋は略々その項の建物と称せられ、座敷構の部分及び控家はこれに後れて建てられたものと認められる。
一に中の本陣とも言はれ、東海道名所図会にも描かれている程著名で、その堂々たる建物は今なお街道の偉観と称することが出来、産業史、又交通史の遺跡として極めて貴重である。