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京都府・八幡市

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)松花堂及び書院庭園京都府八幡市

松花堂及び書院庭園

洛南の名所・霊場として名高(なだか)い男山(おとこやま)・石清水八幡宮の南方には,明治初期の廃仏毀釈に伴って石清水八幡宮の泉坊(いずみのぼう)から複数回の移転を経て松花堂及び書院の一部が移築され,それらを中心として明治後半期に作庭された庭園がある。正門から書院玄関前へと通ずる導入部,松花堂の周辺の露地,書院の東に展開する枯(かれ)山水(さんすい),その南に展開する池(ち)泉(せん)・築山(つきやま)など,計4つの部分から成り,それぞれに独特の意匠・構成が見られる。
特に松花堂の露地庭には,江戸時代後期の意匠を移した痕跡が見られ,その南には書院の東に面して平明な枯山水の庭園が広がる。書院東正面の沓(くつ)脱石(ぬぎいし)から庭園へと続く飛び石との結節点には,直径1.7mもの巨大なコンクリート製の円形(えんけい)伽藍(がらん)石(せき)を模した人造石があり,明治末期の作庭の特質を表す景物(けいぶつ)として注目される。書院東庭の南側には,東車(ひがしくるま)塚(づか)古墳の墳丘後円部に手を加えて造作した巨大な築山があり,古代の墳墓を築山として取り込んだ近代庭園の事例として注目される。松花堂及び書院庭園は江戸時代後期の遺風を伝えるとともに,近代に特有の景物の在り方が随所に見られ,その芸術上の価値及び近代日本庭園史における学術上の価値は高い。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))中村家住宅表門京都府八幡市八幡山柴52

中村家住宅表門

敷地の北辺東寄りに道路から奥まって開く一間一戸の腕木門である。門口は二・一メートル。起り付きの切妻造桟瓦葺で一軒疎垂木とする。内側ではナグリ仕上の控柱が腕木を支える。門扉は両開板扉で、上部に筬欄間を飾る。小規模ながら丁寧な造作の門である。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))中村家住宅上の蔵京都府八幡市八幡山柴52

中村家住宅上の蔵

敷地北西隅に建ち、桁行七・九メートル梁間五・九メートル、土蔵造二階建、切妻造桟瓦葺。東妻の戸口を土戸両開とし、蔵前を鉄板葺とする。外壁は漆喰塗で腰高に竪板を張り北面は水切瓦を付ける。西妻の上下階に庇付の窓を穿つ。社前の河岸景観に趣を与える。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))中村家住宅大歌堂京都府八幡市八幡山柴52

中村家住宅大歌堂

石清水八幡宮の東麓に敷地を構え、建築面積二三八平方メートルである。中央の平屋建東西棟の大広間は折上格天井の一五畳で、三畳上段の間と三畳書院がつき、南から西へ縁を廻らす。北に延びる起り屋根の西の間には数寄屋風の小室を並べる。上質な近代の書院。