大阪谷町筋で洋服製造販売及び卸売を営んだ商家の商品蔵兼家財蔵。寄棟造桟瓦葺、建ちの低い三階建の土蔵で外壁は白漆喰塗仕上、腰を竪板張とする。南面戸口に両開き土戸を吊り、各階窓に漆喰塗込の庇を付す。大阪の服飾業の発展を伝える貴重な三階建土蔵。

御堂筋と本町通の交差点角に建つオフィスビル。設計は竹中工務店設計部。センターコアを採用し、フルウェブ梁や軽量コンクリートなど当時の技術を駆使し大スパン構造を実現。単窓を繰返した壁面に茶、灰、土の３色の磁器タイル貼で格調高い外観に仕上げる。

御堂筋に面し、安井武雄設計の南館の北に建つ増築棟。鉄骨鉄筋コンクリート造地上8階地下3階建で、大胆に変更した柱割が新旧の区別と全体の調和を生み、各階庇の連続や同種外装材を用いて端正な南館の意匠を継承する。御堂筋の象徴的なオフィスビル。

堺筋に西面して建つ鉄筋コンクリート造地上五階地下一階建オフィスビル。二～四階正面を内窓付ガラスブロック積とし、両脇に小バルコニーを設けて陰影を演出。機能的な平面計画や階段等の随所に村野による繊細な意匠を凝らす。小規模だが都市部の景観に寄与。