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奈良県
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))奈良県飛鳥池遺跡出土品奈良県高市郡明日香村奥山601・奈良県橿原市木之本町94-1
我が国最古の鋳造貨幣である富本銭をはじめとする、国家的総合工房の操業内容を示す重要な一括資料。
飛鳥池遺跡は、奈良県明日香村飛鳥の谷あいに立地する7世紀後半の工房遺跡であり、遺跡の北西には飛鳥寺が位置する。
特に注目すべきは、富本銭である。未製品や鋳造資料から、富本銭こそが最古の鋳造貨幣であることが明らかとなり、和同開珎を最古とする貨幣の歴史を塗り替える一大発見となった。さらには、鋳造時の鋳棹や鋳型、坩堝、研磨台は、富本銭の製作技術やその生産工程を如実に物語る。
また、ガラス製品、金属製品、漆製品、施釉陶器や瓦などの各種製品からは、大規模で多彩な操業内容が見て取れる。木簡は、原料や宮廷や寺院に物資を供給した内容、操業時期をあらわす「丁丑年」、「丁亥年」といった紀年、国家直属の工房であったことを示す皇子や宮の名など、本工房の実態を裏付ける上で欠かせない。また、天皇号の開始を議論する上で注目される「天皇」と記された木簡の存在も見逃せない。飛鳥の宮廷や古代国家を物資面で支えた一大官営工房の操業体系と技術を鮮明に伝える重要な考古資料である。
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))西隆寺跡出土木簡奈良県奈良市二条町2-9-1
西隆寺は西大寺と同じく称徳天皇(在位764~770)の勅願寺であり、西大寺は僧寺、西隆寺は尼寺である。これは聖武天皇勅願の僧寺東大寺と尼寺法華寺の関係と同じである。西隆寺は平城宮の北辺西側あたりに位置し、遅くとも鎌倉時代中期には廃絶した。昭和46年、東門近くの2箇所の土坑等から木簡が出土した。土坑は造営工事にともなう廃材や不要品を廃棄したもので、木簡も諸国からの貢進荷札、人夫への食料支給文書やその帳簿、官司や個人からの知識銭(堂塔仏像造営のため寄進した銭)付札など、造営過程に関わる内容をもつ。
本木簡は奈良時代末期の平城京における西隆寺造営に関係する木簡であり、寺院関係のまとまった木簡として木簡研究のみならず、奈良時代の寺院史、社会経済史において貴重である。
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))参宮人帳・御祓賦帳(橋村肥前太夫家伝来)奈良県天理市杣之内町1050
本件は伊勢神宮御師の橋村肥前大夫家に伝来したもので、16世紀後期から17世紀前期にかけて、主に肥前地方(佐賀県・長崎県)の武士や住民の伊勢信仰の受容や参詣旅行の実態を示す貴重な史料である。
国指定文化財(登録記念物)明神山(送迎山)奈良県葛城郡王寺町
低山ながら東西南北に眺望が開けて奈良盆地や大阪平野などを広く眺める展望地点