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奈良県・橿原市
国指定文化財(国宝・重要文化財(美術品))奈良県ホケノ山古墳出土品奈良県橿原市畝傍町50-2
ホケノ山古墳は、奈良盆地の東縁に所在する出現期の前方後円墳で、全長約80m、古墳時代初頭(3世紀中頃)の築造と推定される。後円部の墳頂部中央に築かれた、石槨と木槨の二重構造からなる「石囲い木槨」
から出土した副葬品一括で、画文帯同向式神獣鏡一面や破砕鏡のほか、素環頭大刀をはじめとする刀剣類や各70点以上の銅鏃・鉄鏃、鉄製農工具類、装飾性に富んだ二重口縁壺、小形丸底土器からなる。特に、銅鏡は意図的に破砕した破鏡と完形での副葬の二種がみられ、この時期の鏡の副葬を示すものとしても注目される。また、鏃の目立つ副葬品組成をとる点も特徴的である。木槨上部を取り囲むように置かれた壺形土器の在り方は、のちに前方後円墳墳頂主体部上で盛行する、墳頂祭祀への繋がりを想起させる。
これらは、弥生時代から古墳時代への過渡期において、古墳文化の成立過程や開始年代を示す資料であり、古墳時代前期に盛行する副葬品組成や壺形土器を主体とした埋葬儀礼の実態をよく表している。畿内中枢部に位置する古墳の質・量ともに優れた副葬品であるとともに、古墳時代の開始を語る上で欠かせない一括である。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))瑞穂酢(大西家住宅)門屋及び中門奈良県橿原市中町267-1他
敷地北側の通りに開く長屋門。中央に門扉を構え、西を出格子付四畳半居室、東を物置とし、真壁造腰板大和張で、ガラス戸を用いるなど近代的な意匠とする。中門は主屋の座敷庭を区画し、式台玄関への入口で、筬欄間を備え、扉や腰板の框に精緻な仕事をみせる。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))瑞穂酢(大西家住宅)旧仕込み場奈良県橿原市中町267-1他
酢醸造元の敷地東寄り、主屋南東に西面して建つ南北棟の旧仕込み場。切妻造桟瓦葺の平屋建で、北側の井戸に掛かる部分が凹んだ平面とする。外壁は漆喰塗、腰を焼杉竪板張とし、現在は倉庫として用いる。洗米等を行った食酢製造施設で、建物群の一角を占める。
国指定文化財(登録有形文化財(建造物))瑞穂酢(大西家住宅)旧充填場奈良県橿原市中町267-1他
酢醸造元の敷地中央、主屋の南に建つ南北棟の旧充填場で食酢製造の一工程を担う。切妻造桟瓦葺の平屋建で、北東部に詰所を張り出す。外壁は漆喰塗で腰を焼杉竪板張。現在は酒の仕込み蔵として用いる。敷地に建ち並ぶ食酢製造関連施設群の一角を占める。