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奈良県・宇陀市

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))旧伊那佐郵便局奈良県宇陀市榛原比布1312-2

旧伊那佐郵便局

集落内に建つ旧郵便局舎。木造二階建、寄棟造桟瓦葺で鉄板葺の庇を廻らせる。東正面南寄りの入口庇では、組子で縁取りした欄間に郵便記号を飾る。各階に和室を配してガラス窓を並べ、外壁下半を下見板張とする。昭和初期の農村部における郵便事業の様相を伝える。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))飯岡家住宅内蔵奈良県宇陀市室生区田口元上田口1106

飯岡家住宅内蔵

主屋の東北、石垣沿いに建つ。桁行6.5m梁間4.2mの土蔵造2階建。東西棟の切妻造桟瓦葺置屋根、南面の出入口に庇を付ける。外壁は漆喰塗で、腰は正面が海鼠壁、他三面が竪板張。出入口には掛子塗の両開戸をたて、楣を鏝細工で丁寧に仕上げる。

国指定文化財(登録有形文化財(建造物))飯岡家住宅主屋奈良県宇陀市室生区田口元上田口1106

飯岡家住宅主屋

敷地中央に建つ、桁行19m梁間11mの大型民家。屋根は南北棟の茅葺で、南面は高塀造、北面は入母屋造。南側に土間を設ける二列三室をとる六間取で、座敷や仏間、納戸などからなり、カミザシキは上質なつくりになる。高塀造の面影を伝える農家。

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)宇陀松山城跡宇陀市

宇陀松山城跡

大和盆地南東の山間部にある中世から近世にかけての城跡。中世に秋山氏が城を整備するが、天正13年(1585)、豊臣秀長の入部により秋山氏が退去した後、豊臣家配下の大名により大規模に改修され、城下町も大規模に整備された。城跡は標高約470mの古城山にあり、中央に天守・本丸が東西に並び、その周囲を帯郭が囲む。本丸には本丸御殿が確認されている。本丸の周囲は石垣に沿って瓦葺きの多門櫓が囲む。発掘では各種の瓦類や陶磁器類が出土しており、城内の建物や生活のようすを知ることができる。宇陀松山城跡は高石垣と複雑な構造の虎口をもち、礎石建ち瓦葺建物を配するなど、いわゆる近世初期城郭の特徴をそなえているが、元和元年(1615))に小堀遠州により天守・本丸・帯郭の全域が破脚されており、門・櫓・御殿の解体・撤去、石垣・石段・礎石の破壊のようすが明瞭に観察される。これに関係する書状が残されており、城割りの具体的状況が把握できる希有な事例である。また、それに先立つ秋山氏の段階の遺構も周辺で確認されており、中世から近世にかけての宇陀地方の中核的な城郭と城下のあり方を知る上で欠くことのできない重要な遺跡である。