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島根県・浜田市
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)下府廃寺塔跡浜田市下府町
山麓ノ畑地ニアリ方約三十尺ノ土壇ノ上ニ心礎及四天柱礎、側柱礎各一個ヲ存ス。心礎ハ長徑七尺七寸、短徑四尺一寸ヲ有スル長方形ノ自然石ニシテ其表面一部分ヲ殘シテ略方形ニ削平シ中央ニ直徑二尺八寸深サ約三寸ノ圓柱孔アリ更ニ底面ノ中央ニ舍利奉安孔ヲ刻ス附近ニハ奈良朝ノ様式ヲ示セル遺瓦ヲ發見セリ
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)周布古墳浜田市治和町
山麓ノ傾斜地ニアリ前方後圓型ノ古墳ニシテ封土ハ略二段ニ築カレ南々東ニ面ス長徑約二百二十五尺後圓部ノ徑約百二十尺高サ約二十三尺前方部ノ幅約八十尺高サ約十四尺アリ表面ニハ葺石ヲ存シ松樹等生育セリ後圓部頂上ニ凹處アリ前方部ノ東側ハ隣接セル宅地擴張ノ爲メ削ラレタル部分アルモ略全形ヲ見ルニ足レリ石見ニ於ケル代表的ノモノナリ
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)三隅大平ザクラ浜田市三隅町
矢原ノ山上ノ小臺地ニアリ彼岸櫻ニ似タル一種ノ櫻ニシテ根元周圍約五.四メートル地上二メートルニシテ六大支幹ニ分レ枝張大ナリ比類ノ櫻ノ巨樹トシテ有數ノモノナリ
国指定文化財(史跡名勝天然記念物)石見畳ヶ浦浜田市国分町
大字國分ノ海岸ニアリ台地性ヲ帶ビタル第三紀丘陵ハ海ニ臨ミテ高サ約二十メートルノ波蝕崖ヲナシ崖下ニ千畳敷トスル廣サ三町歩ニ餘レル隆起海床ヲ存ス海床ノ高サハ一乃至一.五メートルニ過ギス 其ノ表面極メテ平滑ナリ 明治五年二月所謂濱田地震ノ際ニ隆起シテ水面上ニ現ハレタルモノニシテ有史後ノ隆起海床トシテ模範的ノモノナリ
崖及床ハ共ニコノ地方ニ洽布セル第三紀新層ノ砂岩礫岩頁岩ノ瓦層ヨリ成リ此等ノ渚岩カ水手層ヲナシテ相重ナルノ状頗ル美ナリ砂岩ニハ往々交叉層(一ニ偽層ト稱ス)ノ發達シタルアリ 又淺海性ノ貝化石及鯨骨化石ヲ有シテ其ノ淺海成ナルヲ示セリ 殊ニコノ層ノ特色トスヘキハ其ノ層中ニ貝化石鯨骨流木片ヲ核心トセル球塊ノ數多存在セルコトニシテ此等ノ球塊ハ幾多ノ層列ヲナシテ砂層中ニ介在シ風化水蝕ノ兩作用ニ抵抗シテ海床上及崖側ニ半球状井ノ凸起ヲナセルハ頗ル奇ナリ
第三紀層中ニハ又幾多ノ断層ノ交叉発達セルアリ 海蝕作用ハ此等ノ断層ニ働キテ或ハ洞窟(賽ノ河原洞窟、龍穴等)ヲ作リ或ハ嶋嶼(犬島、猫島、馬ノ背岩等)ヲ分離セシメ 或ハ海床上ニ直線的ノ裂罅ヲ生セシメ其裂罅ノ左右兩側ニハ石灰分沈澱シテ岩質ヲ硬化シ以テ異様ノ水蝕現象ヲ呈セシメ 時トシテ 裂罅内ニ方解石ノ美晶ヲ産スル等各種ノ地貭鑛物的現象ニ富メルヲ見ル又千疊敷ノ北部ニハ粗粒玄武岩ノ岩脈ガ第三紀ノ水成岩ヲ貫キテ露出シ海蝕ノ結果一條ノ溝渠ヲナセルアリ