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島根県・鹿足郡津和野町

国指定文化財(史跡名勝天然記念物)青野山島根県鹿足郡津和野町

青野山

青野山火山群を代表する溶岩ドームで,日本列島におけるプレートの沈み込みとマグマ活動のプロセスを理解するために重要な岩石で構成されている。中世からは信仰の対象として,近世以降は絵図に描かれるなど景勝地でもある。

国指定文化財(登録記念物)椿氏庭園島根県鹿足郡津和野町

椿氏庭園

旧津和野藩の城下町において,近代以降に完成した町家の庭園のひとつ。近世以来の香油・精蝋などの生業を受け継ぐ商家であり,その建築は嘉永6年(1853)の大火直後の改築によるものと見られ,庭園も同様の時期に作庭されたものと考えられる。庭園は,表玄関から矩折れに延びる通路の先に位置し,座敷から向かって右手に主屋から連なる建築,左手に厠へと通ずる濡れ縁などに挟まれ,奥に土蔵が控える小規模な坪庭の様式を持つ。狭隘な空間に飛石(とびいし)・燈(とう)籠(ろう)・手水(ちょうず)鉢(ばち)・蹲踞(つくばい)など多様な景物を配置した椿氏庭園には,近世から近代の坪庭の様式に共通する意匠・構成が見られる。近代津和野における造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。

国指定文化財(登録記念物)田中氏庭園島根県鹿足郡津和野町

田中氏庭園

旧津和野藩の城下町において,近代以降に完成した町家の庭園のひとつ。明治19年(1886)に製糸業を営んだ三浦五郎右衛門により主屋が建築されたのに伴い,敷地内の庭園の原形が形成されたものと考えられている。その後,昭和2年(1927)に絹織物で財を成した田中氏の所有となり,現在見る形態へと進化を遂げた。庭園は,殿町通沿いに建つ店舗・主屋の西南側に位置する池(ち)泉(せん)庭園で,主屋の座敷から観賞するのみならず,池泉の周囲を回遊できるよう意匠されている。表通りの用水と池泉との導排水の在り方は,津和野城下の他の池泉庭園とも共通する。近代津和野における造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。

国指定文化財(登録記念物)財間氏庭園島根県鹿足郡津和野町

財間氏庭園

旧津和野藩の城下町において,近代以降に完成した町家の庭園のひとつ。明治32年(1899)に酒類販売の店舗を伴う現在の財間氏の主屋が建築されたのに伴い,敷地内の庭園の原形が形成されたと考えられている。庭園は,表門の内側の小規模な前庭及び主屋に東面する主庭園から成る。前庭は燈籠及びマツの廻りに巨石の石組を組んだ小空間を成し,主屋の奥座敷及び仏間に東面する主庭園は,渡り廊下等に囲まれた空間に広がる。特に,主庭園の最奥部の築山は,奥座敷から飛石沿いに庭外の青野山(あおのやま)へと延びる通視の中継点としての役割を持つ。近代津和野における造園文化の発展に寄与した意義深い事例である。