敷地南端を画す長屋門。もとは瀬野川旧流路の河岸に面していた。桁行八間半、梁間一間半の東西棟の中央やや西寄りに門口を開き、その西は桁行三間、梁間二間の規模で北に延ばして厩舎とする。水陸の中継商業で栄えた海田町の歴史を今に伝える建物である。

敷地中央東側、衣裳蔵の南に建ち、古米蔵と対面する。桁行三間、梁間二間と小規模な二階建で、一、二階とも一室とし、南妻面に窓二箇所を開く。正面側には全長に渡って庇を設けている。敷地南端の裏長屋門に近くにあって、小作米を貯蔵していた土蔵である。

敷地中央西側、新蔵の南に建つ。桁行五間、梁間三間、二階建で、一階中央に扉口を開き、その両側に窓を設け、二階には窓四箇所を開く。一階開口部には板庇を設ける。敷地内では最も規模が大きい土蔵で、白壁に窓を開く外観が、敷地景観を形づくっている。

敷地中ほどの西寄りに建ち、衣裳蔵と対面する。桁行三間、梁間二間、二階建で、屋根は桟瓦葺。正面中央やや北寄りの扉口を設け、一、二階とも正面のみに半間幅、鉄格子の内側に内開きの塗籠戸とする窓を開く。敷地内の土蔵の中では最も丁寧な作りになる。